受診するならどこへ(病院vs診療所)

血圧が気になり始めたら、まずは自宅で血圧を測定してみることをお勧めします。その結果、高い血圧が続いている場合には医療機関を受診する必要があります。
どれくらいの血圧になったら受診する?

では、どの医療機関を受診したら良いのでしょうか。
まず、受診する科は内科になります(もしくは循環器内科でも良いですが、そちらが混んでいると内科へ回されると思います)。もしも、何らかの理由でかかりつけの内科がありましたら、そこを受診すればいいでしょう。そうでなければ、新たに受診先を探す必要があります。

日本の医療機関はざっくり分けて病院と診療所になります。病院は入院して治療が可能な医療機関です。もちろん外来診療もやっています。診療所は基本的に入院はなくて、外来診察のみをしている医療機関です(一部に入院可能な診療所もあります)。「◯◯医院」とか「〇〇クリニック」といった所です。
高血圧の治療だけであれば入院は必要ないので、病院と診療所どちらでも大丈夫です。ただし、高血圧で治療を行っていくとなると何年、何十年に渡って通院することになります。ですので、自宅の近くだからといって適当に受診するのではなく、病院と診療所それぞれのメリット、デメリットについて考えてから選ぶことをお勧めします。
※以下の内容は個人的見解も入っていますので、あくまで参考意見としてください。

診療所(医院、クリニック)
高血圧の治療だけであれば、病院ではなく診療所で十分です。ずっと通院する可能性を考えると、自宅や職場から近くて通いやすい所が良いでしょう。ただし、診療所には標榜科というものが必ずありますので先に確認しましょう。眼科、皮膚科、耳鼻科、整形外科、等々…大抵は施設名に科が入っていますのですぐに分かります。「〇〇耳鼻科医院」とか「〇〇整形外科クリニック」という感じです。しかし、内科の診療所では施設名に「内科」が付いていないことが多く、やや分かりにくいです。内科にかかるつもりで「〇〇クリニック」という所へ行ってみたら、そこが精神科だったとか、はたまた美容外科だったなんて事もありえます。

診療所に通うメリット
・近い
・担当医師が変わらない(一部例外もあります)
・待ち時間が少ない(病院に比べたらですが…)
診療所に通うデメリット
・検査の結果がでるまで時間がかかる
・お医者さんが合わないなと思ったら、別の所へ行かなくてはならない
・高齢のお医者さんだと、将来的に閉院になるかもしれない

また、一部に限っての話ですが、必要以上に頻回の受診をしているケースもあるようです。もちろん、血圧の値が不安定なうちはマメに状況をみておくほうが良いですが、安定してきたら1ヶ月に1回程度の受診で良いと思います。

病院
病院と一口に言っても色々な種類があります。周囲の医療機関から重症患者が集まってくるような(三次救急)、広域の中核となっている病院。救急患者を受け入れ急性期の治療はしているが、規模は大きくない地域密着型の中小病院。救急は受けず、慢性期の高齢者医療を行っている療養型病院など。高血圧で受診するとなると、中小の急性期病院の外来ということになります。三次救急の中核病院では、紹介状なしの初診患者にはペナルティ的に追加負担が発生します。軽症患者が集まって機能が麻痺することを避けるためです。療養型病院でも外来をやっているところはありますが、新規で受診する際にはあまりお勧めできません(具体的理由は自主規制で…)。ただし、以前からよく知っている医師がいるのであれば話は別です。なお、以下は療養型でない病院での条件です。

【病院に通うメリット】
・検査結果が当日確認できる(種類によります)
・具合が悪くなったときに入院が可能
・他の科もついでに受診可能
【病院に通うデメリット】
・混んでいて待ち時間が長くなりがち
・担当していたお医者さんが移動でいなくなる事がある

受診する理由が高血圧だけで他に持病がないのであれば、近くに良い診療所を見つけて受診するのがベストだと思います。大きな病院のほうが安心ということで、高血圧のみで地域の中核になっているような大病院を受診するのは良くありません。高血圧以外に合併症を持っている場合ですが、糖尿病や脂質異常症(高脂血症)などの生活習慣病は、しっかりした内科系診療所なら十分な治療が可能です。脳梗塞や心筋梗塞、不整脈、心不全などの合併症を起こしたことがある場合は、専門的な治療の必要な病院を選んだほうが良いでしょう。
診療所、病院どちらを受診するにしても、自分にあった信頼できる主治医を見つけることが最も大切です。
ヒントとしては、
合併症の有無を確認しているか
家庭での血圧を確認して薬を調整してくれるか
の二点です。初診でかかったとき、おもむろに診察室で血圧を測定し、その数値だけを見て、「血圧が高いですね。薬を出しておきます」で終わりであったら、気をつけたほうが良いかも?

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