血圧測定はいつする?

血圧を測り始めたけれど、いつ測ったらいいのか分からないという方も多いと思います。
私の外来では基本的に1日2回の測定をお勧めしています。朝と夕方(または夜)です。1回ではなく2回をお勧めしている理由は、血圧というものは時間により変動するからです。


血圧は自律神経の影響を受けて変動しますが、基本的に起きて活動している時は高めで、夜に寝ている時は低めになります。ただ、朝だけは特別な時間帯で注意が必要です。起きて活動を開始するため、目覚める少し前から自律神経が覚醒モードとなり血圧が高くなるのです。これを早朝高血圧やモーニングサージと言います。多くの人で、血圧の上がった状態は起床後もしばらく続きので、朝に測定する血圧が1日の中で最も高くなります。そのため、昼間や夜に血圧を測ると低いのに、朝は高くなっているというパターンがよく見られます。外来の患者さんを見ていると、かなり多くの方で朝の血圧が高くなっていますので、決して珍しい話ではありません。少し変わったパターンとして、朝と夕方に高くなり、昼間は低いという場合もあります。夕方に血圧が高くなる原因は人それぞれですが、主婦などは夕方に夫が帰ってくると高くなるなんてケースも…
こうした日内変動を考えると、特定の時間帯だけ測定をしていても十分とは言えないのです。「毎晩欠かさずに測定し良い数値のため安心をしていたところ、朝には重度の高血圧になっていた」なんて事は往々にして起こりえます。そうした理由のため、血圧測定は1日2回を推奨しています。
しかし、「忙しいので、毎日2回も測っていられない」なんて方もいるでしょう。そういう場合、普段は朝か夕どちらかを測定しておき、休日などの時間がある日だけ2回測定すると良いと思います。1回の場合はいつ測定するかですが、あなたにとって比較的余裕のある時間帯で良いと思います。昼間でも構いません。それから、時々でも良いので朝起きてすぐの血圧を測ってみましょう。朝の血圧といっても起床後すぐと朝食を食べた後とでは、けっこう違っている場合があります。
時々、1日に4回も5回も血圧測定をしてくる方がいます。熱心なのは良いのですが、あまり頑張りすぎるのもどうかなと思います。血圧が気になりすぎて数値に一喜一憂するようでは、かえってストレスの原因にもなりかねません。血圧の測定はずっと続けなくてなならない事ですので、あまり頑張りすぎて挫折してしまったら元も子もありません。日常で続けられる範囲で行い、忙しい時には測定をお休みしても良いと思います。

タイトルとURLをコピーしました