イビキと高血圧の関係(睡眠時無呼吸症候群)

健康の話題

この頃、家族からイビキがうるさいと言われることがあるんです。
ほっといても大丈でしょうか?

イビキも程度によりけりですね。
いちばん重要なことは、無呼吸になっていないかどうかです。
放っておくと高血圧や他の病気が悪化する原因になることもありますよ。

あなたはイビキをかくと言われたことがありますか?

イビキというと太めの中年男性というイメージがあるかもしれませんが、実は若い人や女性でもイビキをかく日人は結構います。毎日ではなくても、疲れたときや飲酒後など、ある条件のときにイビキをかく人もいます。
ありふれた存在のイビキですが、特に気をつけなくてはいけないタイプが有ることはご存知でしょうか。重度のイビキに多いのですが、その最中に一時的に呼吸が止まってしまう人がいます。ゴーゴーとイビキをかいていてたと思うと急に静かになり、しばらくすると再び激しくイビキをかく。こんな人は『睡眠時無呼吸症候群』の可能性が高いです
高血圧患者の約30パーセントは睡眠時無呼吸症候群を合併しているという報告もあります。

原因の多くは、眠っている時にノドの奥が塞がってしまう事です。仰向けで眠るとノドの奥が狭くなり、空気の通りが悪くなることでイビキをかきます。それがさらに酷くなると塞がってしまい、呼吸ができなくなるのです。そうすると苦しくなるので、荒い呼吸をして塞がったノドが通るようにします。しかし、しばらくするとまた塞がってしまう… これを一晩中くり返しているのが睡眠時無呼吸症候群なのです。本人は十分に眠っているつもりでも、睡眠の質が悪いので昼間に眠たくなってしまいます。居眠り運転の原因になるため、社会的な問題にもなっています。

 睡眠時無呼吸症候群:Sleep Apnea Syndromeq(略称SAS)
  名前が長いので、以下SASと表記します。

ところで、このSAS(睡眠時無呼吸症候群)は高血圧に大変悪い影響があります。先ほど、高血圧患者の約30パーセントはSASを合併しているとお話しましたが、逆にSASのある人はその半分以上が高血圧を合併していると言われています。また、SASがあると、高血圧の治療効果が出にくい『難治性高血圧』になりやすい事もわかっています。
その原因は、自律神経の一種である交感神経が過剰に興奮するためと考えられています。交感神経は体を活動モードにする働きがあり、血圧を上昇させるのです。夜間の無呼吸の影響で、昼間も血圧が高くなってしまうのです。また、SASのある人は、夜間や早朝の血圧が高くなりやすいので、昼間の血圧が良くても油断はできません。
さらに怖い事に、SASを放置すると動脈硬化が急速に進む危険があります。重症のSASで治療をしないでいると、心筋梗塞・脳梗塞などの血管の病気になる可能性が3倍になると言われています!

SASの治療ですが、残念ながら特効薬はありません。まずは生活改善を行い、それでも不十分な重症SASにはCPAP(持続陽圧呼吸療法)を使用します。CPAPは寝るときに鼻にマスクを着けて、機械から圧力をかける治療法です。鼻からノドの気圧が高くなるので潰れにくくなるという仕組みです。SASにはとても効果的ですが、機械につながったゴツいマスクを着けて寝なくてならないので慣れるまでは大変なようです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)になる最大原因は肥満です。太るとノドの通りが悪くなるのです。また、横になると腹の肉が邪魔になり、呼吸が浅くなってしまいます。
しかし、太っていなくてもSASになる人はいます。鼻炎などの耳鼻科的疾患が原因の場合もありますので、一度は耳鼻科で診てもらいましょう。また、酒をたくさん飲んだ後にイビキをかくことはありませんか?酒の飲みすぎも原因になりますので注意してください。横向きで寝ることも一時的ですがイビキの防止になります。

高血圧のある方は、同居する家族に自分がイビキをかいているかを、ぜひ確かめてみましょう。できれば、無呼吸があるかどうかも観察してもらうと良いでしょう。一人暮らしであれば、スマートフォンのアプリでもイビキを記録する物があるようですので、試してみてはどうでしょう?より正確に調べるのなら、病院で相談しましょう。耳鼻科や呼吸器内科などで検査をしてくれる所があります。ただし、やっていない医療機関もありますので、電話などで確認してからの方が良いかもしれません。

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