新型コロナウイルスは日本でも流行するか?

医療雑談

肺炎を起こすウイルスが中国で流行しているって、テレビのニュースで言っていました。日本にも来るかもしれないって… ちょっと心配です。

そうですね。日本でも広がる可能性はあると思いますので注意が必要です。

新型コロナウイルスによる肺炎の感染が広がっているというニュースは、皆さん既にご存知のことと思います。発生源の中国では感染者が増え続けており深刻な状況のようです。日本でも感染者の報告が出ており、拡大が懸念されています。私個人の見解ですが、日本でも感染が広がる可能性はあると思っています。
その理由は次の3つです
①新しいウイルスのため、免疫を持っていない人が大半であること
②おそらく感染力が強いウイルスであること
③潜伏期間中(感染しているがまだ発症していない)の人が中国から複数入国している可能性があること

こうした理由が重なり、国内でも流行拡大の危険があります。
とにかく、テレビを見ていると恐ろしくなってしまいますね。しかし、こんな時こそ正しい知識を持って、冷静に対応する必要があります。

まずはウイルス性肺炎とはどういう病気なのかを整理しておきます。
肺炎は主に細菌やウイルスなどの病原体が原因で、肺に炎症を起こしている病気です。病院では、日常的に肺炎の患者さんが入院してきますが、その大半は細菌感染が原因です。肺炎球菌はその代表格で、みなさんも耳にされたことがあると思います。一方、ウイルスが原因で肺炎になることもありますが、頻度はずっと少なくなります。ちなみに、インフルエンザウイルスが原因で肺炎になることもあります。ところで、同じ肺炎であっても細菌性かウイルス性かでは重大な違いがあります。それは治療方法が全く異なるということです。

細菌性肺炎の場合は抗生物質を使用して治療を行います。肺炎の原因となる細菌の大半は、抗生物質でやっつけることができます。しかし、ウイルス性肺炎の場合は抗生物質は使用しません。なぜなら、抗生物質はウイルスには効果がないからです。つまり、ウイルス性肺炎の場合は、直接的に効果のある治療法はないのです。そのため、ウイルス性肺炎の患者さんが入院した場合は、脱水にならないように点滴したり、免疫を補助するような薬を使ったりするだけで、後は本人の免疫で自然治癒するのを待つしかありません。

いま問題となっている新型コロナウイルスもウイルスですので、感染した場合は本人の免疫力で治るのを待つしかありません。ところで、免疫は過去に感染したことのあるウイルスに対しては素早く反応できる機能があります。これを免疫記憶といいます。子供よりも大人の方が風邪にかかりにくいのはそのためです。また、インフルエンザの予防接種も同じです。しかし、新型コロナウイルスに対しては、おそらくほとんどの人は免疫記憶をもっていないと思われますので、感染が広がりやすいのです。これが上記①の理由です。

上記②で今回のコロナウイルスが感染力が強い可能性があると述べました。これはどういう事でしょう。人から人へウイルスが感染する場合、その多くは飛沫感染という形をとります。飛沫感染とは、咳やくしゃみで感染者の唾液などの体液が飛び散り、それが他の人の鼻腔や口、喉などの粘膜に付着すると起こる感染経路です。飛び散った飛沫の中に多数のウイルスが含まれているためです。飛沫感染は感染者がマスクをしたり、触れた物を消毒したりすることで予防することができます。多くの風邪やインフルエンザウイルスは飛沫感染と考えられています。
また、別の感染ルートとして空気感染という物があります。これは、感染者の体から出たウイルスが空気中を漂って、それを吸い込んだ人に感染するという形です。当然ながら、飛沫感染に比べて空気感染の方が感染力が強くなります。中国で治療に当たった方たちが感染しているという報告を見ると感染力が強いと思われますので、空気感染かそこまで行かなくても少量のウイルス量で発症すると予想されます。

しかし、ウイルスが体内に入ってきたとしても、必ずしも病気に感染するわけではありません。人体に備わった免疫システムは、ウイルスが侵入するとそれを排除しようとします。免疫記憶があるとその立ち上がりが早く、より感染しにくくなりますが、初めてのウイルスでも免疫系は働きます。感染するかどうか、また重症化するかどうかの違いは、入ってきたウイルスの量と自分の免疫力の高さで変わってきます。何らかの理由で免疫力が低下していると、感染しやすく、さらに重症化しやすくなります。糖尿病のある人、免疫を抑える薬を飲んでいる人は特に注意が必要です。また、高齢者、乳幼児なども重症化のリスクが高いため要注意です。国内で新型コロナウイルスの感染が広がった場合、このような人は外出を控えた方が良いでしょう。病院で病気をもらってくることもありますので、気をつける必要があります。

現在の状況を見ていると、過去に新型インフルエンザが初めて流行した時のことを思い出します。このときは報道が加熱して、非常に恐ろしい感染症がやってきたかのようでしたが、今では普通のインフルエンザの扱いです。新型コロナウイルスについても、過剰に大騒ぎはしない方が良いでしょう。先日のWHOの発表ではこの肺炎の死亡率は現時点で3%とのことです。感染者の3%ではなく、肺炎を発症した人のです。感染者が肺炎を発症する確率はまだ発表されていませんが、感染しても肺炎までは至らずに風邪のような症状で治癒する人もいると思われます。ただし、先にも述べたように、免疫力の弱っている人は重症化のリスクが高いため、もしも国内で流行が始まった場合は細心の注意を払ってください。それ以外の人も、寝不足や疲労、体の冷えなどは免疫力を一時的に低下させますので、注意しましょう。

とにかく、今回のパンデミック(感染拡大)が早く沈静化してくれることを祈ります。余談ですが、強権を連発する中国政府の感染拡大への対応は凄いですね。日本ではとても真似できないでしょう。

☆☆☆☆☆ アプリ《血圧ナビ》をご利用いただきありがとうございます。気に入っていただけましたら、お手数ですがレビュー(評価)をお願いします。★★★★★
Appストア レビューのページへ移動します

タイトルとURLをコピーしました