季節と血圧-秋編 「晩秋は血圧上昇に注意しましょう」

血圧の話題

夏のあいだは良かったのに、秋になってから血圧が高めなんです。どうしてでしょう?

血圧は季節によって変動することがあるんです。秋は、血圧が上がっていきやすいので要注意ですよ。

秋といえば、食べ物が美味しく、木々が紅葉する美しい季節ですね。しかし、血圧が気になる人にとっては気をつけなくてはいけない季節でもあります。

季節によって血圧が変動するということは、多くの方が感覚的にご存知ではないかと思います。基本的に、暑いときは血圧が下がり、寒いときには上がる傾向があります。ただ、その影響には個人差が大きく、夏と冬で血圧が10や20も変化する人もいれば、ほとんど変わらない人もいます。

血圧が気温で変動する最大の原因は、細い動脈(=細動脈)が広くなったり狭くなったり変化するためと考えられています。暑いときには細動脈が広がって皮膚付近の血流を増やします。そうすることで体の表面からの放熱量を増やし、体を冷やそうとするのです。この状態が強くなると顔が赤くなります。一方、寒いときには細動脈が狭くなり、皮膚近くの血流を減らします。そうすると体の表面から熱が逃げにくくなります。冬は暖かい服を着て暖房の効いた部屋で過ごす現代人と違い、昔の人間にとって体温低下は命に関わる問題でした。ですから、こうした皮膚の血流の調整は体を守るために存在しているのです。

このように人間の体に備わった機能ですが、血圧という視点から見ると厄介な存在です。特に高血圧の治療をしている人は、夏の間は良かった血圧の値ですが、秋が深まるにつれて徐々に上昇してくる原因になります。そこで必要になるのが高血圧治療薬の見直しです。血圧が季節で変動するのに、血圧の薬は一年中同じで大丈夫でしょうか。適切に薬の調整を行わないと、夏に血圧が下がり過ぎたり、冬に血圧が高すぎる状況になってしまうかもしれません。血圧の低い夏季は弱めの薬、血圧の高くなる冬季は強めの薬に調整することで、良好な血圧の値を維持できるようになります。もちろん、季節での血圧変動が少ない場合もありますので、そういう方は同じ薬を続けていて大丈夫です。

気温が下がるにつれて血圧が高くなってきたら、外来で主治医に相談してみると良いでしょう。また、普段は血圧の薬を飲んでいない人でも、冬が近づいて血圧が高くなってきたら、治療を始める必要があるかもしれません。一方で、春から夏にかけて血圧が低くなってきたなら、薬を減らしたり中止したりする必要があるかもしれません。その際には、必ず主治医に相談してから変更するようにしてください。何らかの持病により血圧を低めに維持する必要があったり、血圧の薬を複数飲んでいる場合には、続ける薬と止める薬に優先順位が存在する可能性もあります。

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