普段の血圧は良いのですが、ときどき急に血圧が高くなる事があるんです。何か起こるのではないかと心配になります。
まずは慌てないことが大切です。一時的に血圧が上がっても、その後に下がっていれば大丈夫です。
定期的に血圧を測っている方は良くご存知だと思いますが、血圧はずっと同じではなく、上がったり下がったりを繰り返しています。そして時には、急に高くなって驚くこともあると思います。血圧が普段より高くなったときにどう対応すればよいかを知っていると、そんな場面でも慌てないで済むでしょう。
まず、一番してはいけないのは
「不安でパニックになる」ことです。
急に血圧が高くなったからと、救急車で来院する人が時々います。一部には、何らかの病気が原因で血圧が上昇しているケースもありますが、大半はただ「血圧が高い」だけです。自宅で血圧を測ったら普段よりも高くなっており、何度も測り直しても下がらない(もしくは更に高くなった)ため、心配になって救急車を呼んでしまうのです。血圧は精神状態の影響を受けますので、「強い不安」を感じると血圧が更に上昇する原因になります。そんな悪循環に入ってしまうと、「負の高血圧スパイラル」状態です。
不思議なことに、朝から「血圧が高い」といって救急来院する人は少なく、多くの場合は夕方から夜の早い時間です。特に、60代〜70前半位の女性が多いです。この年代の女性は「めまい」を起こしやすいグループと一致します。自律神経や性ホルモンの変化などが影響しているのではないかと想像しております。
測定した血圧が高かったとき、まずは「慌てない」ことが最も大切です。血圧が一時的に高くなっても、それだけが原因で何か悪いことが起こる事は滅多にありません。立て続けに血圧を測る事はせず、深呼吸をしてから楽な姿勢でしばらく安静にしましょう。気分が落ち着くハーブティーを飲んだり、静かな音楽を聞くのも良いでしょう。そうして、少し時間を置いてから血圧を測り直しましょう。前よりも下がっていればもう大丈夫です。夜ならそのまま寝てしまえば、大抵の場合は翌日には元に戻っています。もし、高い状態が何日も続くようなら受診したほうが良いでしょう。
ただし、急に血圧が高くなったとき、すぐに病院へ行ったほうが良い場合もあります。それは、血圧以外に何か症状があるときです。
特に、「頭痛」「めまい感」「顔面や手足の感覚や動きがおかしい」といった症状のある場合、脳梗塞や脳出血などの脳血管の病気を起こして血圧が上昇しているかもしれません。症状が強い場合は躊躇せずに救急車を依頼しましょう。
また、普段から「脳動脈瘤」「大動脈瘤」などの動脈が膨れてしまう病気のある人は、血圧上昇がきっかけで破裂する場合がありますので、救急車まではいかないにしても、できるだけ早めに受診したほうが良いでしょう。
血圧は状況に応じて上がったり下がったり、常に変動しているものです。目先の数字に一喜一憂することなく、少し長い目で考えるようにしましょう。